みなさんおはようございます!
突然ですが、皆さんは「インド」に対してどんなイメージを持っていますか?
カレー、ターバン、サリー、暑い、数学ができる、IT…??
では逆にインド人が日本に対してどんなイメージを持っているか知っていますか?
私はインド人に日本出身だよと話したら「あーいいよね!ジャッキーチェン!」と言われたことがあります。笑
インド人の「日本」という国に対する印象は基本的にはとても良いのですが、日本の文化について深く知っている人はとても少ないです。
ところで、私はインド映画に日本人俳優をキャスティングやコーディネーションをする仕事をしています。
過去に携わったインド映画作品では、作中に日本人の登場人物が登場するのですが、その‟日本人”の役柄やセリフ、設定がちょっと変だったりするのです。
おそらくインド人が日本のことをあまり知らないから、認識のずれや勘違いがおこっているかな?と思います。
今回はそんなちょっと面白い、インド映画の撮影現場で判明したインド人の日本に対するイメージの勘違いの数々をご紹介します。
Contents
私がコーディネーターとして携わったインド映画「Rangoon」
撮影現場で起きた勘違い事件をご紹介する前に、私が現地コーディネーターとして携わったインド映画について少しご紹介!!
私が初めてインド映画の撮影に日本人俳優コーディネーターとして参加したのが「Rangoon」という作品です。
「Rangoon」(2017)
監督:ヴィシャール・バルドワージ
キャスト:サイフ・アリー・カーン、シャーヒド・カプール、カンガナー・ラーナーウト、他
映画の時代背景は第二次世界大戦中のインドで、テーマはインド国民軍(INA)。
第二次大戦中イギリスの植民地だったインドが、イギリスからの独立を目指し秘密裏に結成したインド解放を目指す軍。日本軍と同盟を組み活動した。
インド国民軍をテーマとした作品はインドではいくつか作られており、「Rangoon」もその一つです。
このインド国民軍は日本軍と密接な関係にあったことから、このようなテーマの作品では日本人俳優がキャスティングされやすい傾向があります。
Rangoonでも日本兵士役として8名のスタントマンを私がアテンドさせていただきました。
日本兵役の日本人スタントマンさんと、イギリス兵役のポーランド人スタントマン
今回はこの「Rangoon」の撮影でおきた、ちょっと面白いインド人の日本に対する勘違い事件をご紹介します。
ちなみに「Rangoon」は現在、日本語字幕付きでNetflixで見ることができます!!
戦闘シーンのアクションが○○っぽい
戦争がテーマということで、現場では日本軍VSイギリス軍の戦闘シーンの撮影が何度も行われました。
(予告編の一番初めにも出てきます。)
Photo by Rangoon official cameraman Hitesh Mulani
戦闘シーンを撮影する際には、アクションの型を付けるアクションダイレクターという人がいて、その人からどんなアクションをするかの指示を受けます。
私がアテンドさせていただいた日本人スタントマンはみなさん長年スタントをやってきたプロフェッショナルの方々なので、アクションダイレクターから指示を受け、数回練習したらすぐに撮影に臨みました。
その際にスタントマンさんが「アクションの型がすごく中国っぽい」と言っていたのがとても印象に残っています。
インド映画のアクションは派手なものが多いので、元々中国っぽくなってしまう要素もあったのかもしれないですが、インド人の考える日本が中国とごちゃ混ぜになっていたのかな?なんて思ったり。
本番ではスタントマンの方々がうまく解釈して戦っているので、中国っぽさはほぼわからないかと思いますが、そんなことを考えた撮影現場でした。
また同様に、写真を見ていただくとわかるのですが、イギリス兵士役は短い剣?で戦っているのに対し、日本兵士は長い日本刀を帯刀して戦っています。
インド人なりに日本のことをきちんと調べて映画の中で描いてくれたんだなということも感じとれました。
余談ですが、スタントマンの皆さんが一様に「アクションダイレクターよりも主演俳優シャーヒド・カプールのアクションが上手で素晴らしかった!」とおっしゃっていたのも印象的でした!
その楽器は日本の楽器じゃない・・・
「Rangoon」の撮影が終わった数か月後のある日、アシスタントディレクターから連絡が入りました。
Hi!あやか!実は今監督がRangoonの挿入歌を作っているんだけど、その音楽に日本の楽器を入れたいと思っているんだ!
それで、二胡が演奏できる奏者を探しているんだけど誰か知らないかな??
あーー!!これはインド人にとっては難しいかも!!
二胡は中国の伝統楽器です。
ちなみに音楽プロデューサーの方に相談したところ、日本には二胡に似ている楽器として胡弓という楽器があるそうで、私は胡弓奏者やその他の日本伝統楽器も提案しました。
結果的にはこの時私が提案した奏者は採用されなかったのですが、おそらくこの二胡にインスパイアを受けて作成された音楽がこちらの挿入歌だと思います。
どうでしょう?!
確かに中国っぽいけどこれはこれでとても素敵な曲だなーと私は思いました!
そのセリフはいったい何⁉事件
こちらは先週出演させていただいたトークリレーでもご紹介したエピソード。
「Rangoon」には私がアテンドした8名の日本人スタントマンの他に、日本人キャストとして俳優の川口覚さんが出演しています。
川口さんは日本兵士ヒロミチ役としてこの作品に出演しており、3度もインドに渡航し撮影をされたそうです。
その内の1回の撮影が私たちと同じだったたため、現場で仲良くさせていただきました。
そんな川口さんと一緒の撮影日のある日、AD(アシスタントディレクター)が川口さんのセリフが書かれた台本を持ってやってきました。
その中に書いてあったセリフに、現場にいた日本人みんなで「このセリフ何!?」とツッコミの嵐が巻き上がったことは忘れられない思い出です。笑
物語の中でヒロミチは戦争捕虜になってしまいます。
「Rangoon」より1シーンを引用
徴兵によって戦前に送られてしまい、さらに捕虜になってしまったヒロミチはこのようなセリフで自らの状況を嘆きます。
さて、みなさん。この?に入るセリフなんだかわかりますか??
ちなみにこの台本を持ってきたADは得意げにこう言いました。
私の調べたところによると、これは日本人にとってすごくFamousでPopularなジャパニーズソウルフードらしいじゃない!!(どや顔)
どう?当たってるでしょ?!
さて、インド人が考えたとても有名な日本のソウルフードとはいったい・・・・
・・・・
正解は・・・
「ちゅうかいだこ」が正解でした!!
・・・・
皆さんの「なんやねん、それ!!」のツッコミが聞こえる・・・・。
そうなんです。本当に「なんやねん!それ!!」で、撮影現場にいた全日本人が総ツッコミを入れました
えーーー!!なんで!?
私ちゃんとネットで調べたのに…。Chukaidakoは日本人にとって一番有名な日本料理って出てきたのになぁ💦
そう!実はGoogleで「Chukaidako」と検索をかけると確かに料理がきちんと出てくるのです。
どうやらこれは日本以外の海外などで出店しているなんちゃって日本食レストランで定番のメニューらしく、イイダコを中華風に痛めたものらしいです。
てか、中華って言ってるから、もうなんちゃって日本食でもない…笑
撮影現場では全日本人で「そんな料理は日本にはないから、変えた方がいい!!」と猛反対して、何とかそのセリフを変えることになりました。
結果的にどんなセリフになったのか…
それは是非映画を見てみてくださいね!
まとめ…
このように、インド人の考える「日本」ってまだまだ少しずれているかも!!
でも、逆もしかりで日本人もインドの事ってまだまだ知らない人が多いのも事実。
映画「Rangoon」はボリウッド映画には非常に珍しく"日本語"が沢山出てくる作品で、映画をみると監督が史実に基づいてきちんと日本を表現しようとしてくれたシーンが沢山あります!!
私は日本とインドの映画をはじめとしたエンターテインメントの交流がもっともっと広がれば、お互いの国への興味や理解がさらに深まるんじゃないかな?と思っています。
そしてその交流の促進に少しでも自分が携われたらいいな。なんて思いながら今日もインドにいます!!
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